*Croquis de Paris No.468 ~ その手に大事に握りしめていたもの ~ *
2018年3月9日10:00 AM カテゴリー:Designersdiary
やっとここ最近の忙しさも一区切りついて子供と映画を見に行って
(同じ映画を結局2回も!)
ほっとしたのか、朝子供を送って、必要な買い物をして、
身の回りの事をちょこちょこ済ませたら朝なのにどっと眠気がして、
横になったと思ったら1時間半も寝てしまっていてびっくり。
起きても少しの間放心状態だった。
・・・一区切り着いたんだねぇ、と自分にお疲れ様*^^*
☆ 朝がすっかり明るくなりました。お月様にもおはよう〜 ☆
そんな3月ももう10日ほど過ぎようとしている2018年の今頃になって
じわじわ、いや、実は前からうすうす気がついていたのか認めたくなかったのか
もういい加減手放せよ〜ってメッセージがやたら目に入って来ていた今日この頃。
今回のお仕事で初めて握りしめていたものを手放した。
それは・・・
☆ 景色が明るい、春が来た〜♪ そんな感じです。☆
『 デザイン画を原寸大で書く事。』をやめました。
なんなら、リアルに書き込む事さえやめてしまっても良いと思ってる、笑
☆ 日本でも話題の映画『 The Greatest Showman 』を見に行きました。☆
はぁ〜、言っちゃいました。
え?普通でしょ?それ。って
なのに大切に大切にこの手の中に握りしめてたんですよね。
これが必要だ、これがあるから自分なんだって。
☆ もうほとんどの映画館が終わっていたので、オペラ座まで出ました。この日はあいにくの雨模様。☆
私はいわゆるジュエリーの専門の勉強はして来ていない。
たまたま流れ着いたその場所でその仕事に出会って、
やってみたら凄く面白かったし自分に向いている仕事だと思った。
そんな何も知らない真っ白な状態で出会った会社で切磋琢磨される中、
尊敬する製作の長から言われた言葉がある。
☆ 表の看板ももう無くなってるし^^;小さな小さな部屋でした。☆
「おれらも持ってる技術で真剣勝負するから、
デザイナーも拡大せずに実寸大で手描きで書ける範囲で勝負してくれ。」
☆ 見終わって感動〜なはずなのに、 やはり英語のセリフにフランス語字幕は、
なんかイマイチしっくり心に響かないのね^^; ☆
当時はまだCADも発達しておらず、
手作りでワックスやシルバーの削り出しで原型を作っている時代。
初めての仕事で順調に売り上げが伸びる一方で、
知れば知るほど色々やりたくもなってくる。
拡大して、あれもこれもと細部まで欲が出て来る。
そんな時に貰った大事な言葉。
以来、私はコンマ1ミリ単位で、絵を書き分ける技術を身につけて行くことになる。
これなら文句も無いはず、どこから見られても大丈夫、
私も手描きで実寸大で書いている、0.1mmの寸分の狂いも無しだ。
☆ 前回のZARAでのネタは、ここオペラ座のお店から♪ ☆
おお怖っ! いかれてたわぁ、笑
で、その後20年も(!) その自分の中の約束を守り続けて来たわけで。
そんな事をしていると、原型師さんや発注サイドからまた注文が来るわけです。
デザイン画がコンマ1ミリ太かったからこうなりました。
デザイン画をあと髪の毛一本分細く仕上げてくれないか?
その度に立ち向かっては、本物の原型を仕上げる並に時間はかかり、
今度はそう言われない様にと、デザイン画を仕上げる前に
そこまでの状態に仕上げにかかる始末。
☆ レティ役のキアラ・セトルが歌うセッションの様子。こちらも涙しちゃいます。最高の歌声。☆
そんな中、先日ちょっとした出来事があった。
普段誰よりも製品をよく見て知っているスタッフとの新作のデザインのやりとり。
色々と話をしていく中で、昔に書いていたこのデザインも今回の新作に入れて下さい♪
と言われて了解〜♪ と返事し、いざさぁデザイン画を仕上げようかと思って
その当時の自分のデザインをよく眺めてみると、ん?本当にこのデザインでいいの???
なので、もう一度仕上げる前に、このデザインってこうなっててね、
ここはこういう形状でこうでああでetc・・・
もしかしたらそうでなくって、こういう形だと思ってない?
しかもサイドもこうなってるんじゃ無くて、こんな形だと考えてる?
と、メッセージを送ってみたら、
ええ〜?本当だぁ、そうなってたんですねぇ〜♪
まさに向こうがイメージしていたのは、そうでなくてこう思ってるんじゃない?
って提案した方の形状だった。
ってこんな話がここだけではなく、ここの所あちらこちらでやけに続いた^^;
おっかしいなぁ、
☆ で、日本語字幕の動画を見たらまた感動して、前日で終わっていたはずが延長になっていたので
もう一回見に行ってしまいました。ほぼ貸し切り^^ ☆
・・・もうお分かりの方もいらっしゃるはず^^;
そう、自分を苦しめていたのは自分。だったんですね。
(恐らくはそれを提言した先輩もこれを聞いて、この時代に
え?まだそれやってたん!? とツッコミを入れるかもしれない)
大〜切に大切に手の中に握りしめていたものは、
その時のちょっとした出来事から始まった自分のこうでならないと信じ込んだ思い込み。
もう、誰もあなたのそんな秘密は知らないって、笑
細か過ぎて、見た瞬間にそんな細部までのこだわり一発で把握出来ないって。
☆ この日も雨。だったけど、帰りにはカラッと晴れて ☆
はぁ、でも良く頑張ってたなぁ。自分。
これで沢山褒めてもらったりもしたしね。信じてたんだよね。
自分を守ってたつもりだったんだよね。よしよし
☆ 晴れたときの空の色が好きなんですよねぇ。☆
実のところ私という人間は、人からデザインの話を受けた時に
わっとイメージが浮かんで来る人間です。
もうその時はわくわく嬉しくて仕方が無い。
それが時々、その先のやり取りを案じて慎重になりすぎる事がある。
そうして書き上げたデザインは完璧を目指しながら
美しさの中に、かかわる誰もが息のし辛いものとなっていたかもしれない。
もっと自由になろう
理屈もなしに
その最初のエネルギーをそのままの形でバトンを繋げていける様に。
最後にこちら、『 The Greatest Showman 』の主人公、
ヒュー・ジャックマンの裏話と歌唱力が最高です!
「From Now On」がフランス語の字幕では「Désormais 」になるんですよね。
一番の良いセリフでピント来てなかった私^^;
やっぱり英語&日本語字幕が本当はしっくり来るんだなぁ〜
P.S.
この先ちょっとデザインがラフになっていくかもしれません*^^*
でもたぶん幸せは満タンです♡
From Now On!
A la semaine prochaine
☆MUNEKO☆